胃カメラ一般内科       牛久市「ことより医院ブログ」

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ピロリ菌の話し ~ピロリ菌ってどんなもの?編~

 他の先進国に比べて日本はピロリ菌感染者が多いと言われています。若年層では比較的少ないものの、50歳以上の方では70~80%の人がピロリ菌に感染しているという報告があります。ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍だけでなく胃癌や胃のリンパ腫などの発症にも関わっているということはご存知の方も多いかと思います。当院でもピロリ菌の除菌療法は日々おこなっておりますが、今回はこのピロリ菌についてとりあげてみたいと思います。

ピロリ菌の発見

 ピロリ菌の正式名はヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)です。この細菌は20年以上前にオーストラリアの研究者によって発見されました。
 らせん形(ヘリコ)をした細菌(バクテリア)で胃の幽門部(胃の出口=ピロルス)付近に好んで生息することから、ヘリコバクター・ピロリと命名されました。名前の由来はいたって単純ですね。
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 それまで細菌は胃の強酸性(pH1~2)下では生きられないと考えられていました。しかし、ピロリ菌はウレアーゼという酵素によって胃の中で尿素からアンモニアを生成し、このアンモニアが胃酸を中和することにより強酸性の胃の中でも生存できるのです。
 その後の研究によって、ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍などの病気に深く関わっている重要な細菌であることが明らかになり、2005年、発見者のWarren先生とMarshall先生にノーベル医学・生理学賞が授与されました。

胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌

 胃や十二指腸に潰瘍があると、胃重感や食欲低下、腹痛、出血(吐血、下血)などの症状が現れてきますが、長い間、潰瘍の原因は、ストレスや食事・生活の不摂生にあるとされてきました。現在では、胃潰瘍や十二指腸潰瘍患者のほとんどがピロリ菌に感染していることや、ピロリ菌を除菌することにより殆ど再発しないことがわかり、ピロリ菌が潰瘍に深く関わっていることが明らかになっています。また、ピロリ菌は胃の中に住み着いて、慢性胃炎を起こし、胃粘膜の老化を早めます。これは胃がんや胃潰瘍などの原因になり、胃がんの可能性を高めるリスク因子の一つです。

ピロリ菌の感染経路

 ピロリ菌の感染経路ですが、昔は井戸水からの感染がよく指摘されていました。しかし上下水道の完備など衛生面で生活環境が整備された現代の日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはありません。また、回し飲みなどの日常生活でもピロリ菌は感染しないと考えられています。
 現代のピロリ菌感染のほとんどが、胃の中の酸性が弱くピロリ菌が生きのびやすい5歳以下の幼児期に感染すると言われています。ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要だということですね。



      ご不明な点がございましたら tel 029-870-5480までお問い合わせください。
      
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by kotoyori-iin | 2015-01-26 13:48 | ●ピロリ菌除菌

茨城県牛久市の 「ことより医院」 のブログです。一般内科および消化器内科の専門医として診療しています。お子様の診療も行っています。胃カメラ(鼻からも口からも可能)は受診後予約となりますのでご相談ください。往診・健診・予防接種も承っております。


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